ミトミの史上もっとも詳しい a と the

みなさんこんにちは、英語英会話コーチのワーグナーミトミです。今回はいやというほど目にする a と the についてお伝えします。これほどさんざん目にしながら、ちゃんと時間をとって習うことのないのもめずらしいです。最初は a が出てきて、いつのまにか the が出てきて、いつのまにか英語の文は the だらけになっています。

ネイティブのスコットに a と the についてたずねたことがあります。

「直観だ」と言われました。そういわれても英語ネイティブの直観など日本人にはないので、どうしようもありませんでした。でもネイティブ本人は自分の第一言語のことを論理的に追求することはないので、ネイティブでない人間がネイティブの心の動きを追求していく必要があります。

今回は a と the のネイティブの心の動きをみなさんにお伝えします。

ジョンがケントに

おれは ある男 に会った

と言いました。ケントはまったく関心なさそうですが。ジョンの口からでたのは a です。その心理は

おれが会った男をケントは知らないだろう。だから ある(おまえの知らない)テイストの a でいこう。

というものです。ジョンは ある男 にすでに会っています。しかしケントは ある男 の存在をまだ知りません。

相手が知らないだろーな

という物体に、ネイティブは a をつけるのです。

 

実際にはこの絵のような間はないのですが、ネイティブの一瞬の心の動きを克明に追うことが英語習得に必須なのでお見せします。

ジョンが会った男にケントはまったく関心がないのですが、ジョンが a man ある男 と言ったのを耳にしてしまったため、心の中に漠然とではあるけど ある男 のイメージが浮かんでしまいました。ジョンは自分が a man と言ったので、ケントの心の中に漠然とだけど ある男 のイメージが生じたのを本能的に了解しています。その状態でジョンが言います。

The man is rich.

ジョンのせりふの a が the に変わりました。the man その男 とは a man と同じ、同一の男ということです。the とは

前に出たのと同じ物体

というテイストです。ケントの心に生じさせられた a man ある男、それと同一人物の the man その男 がリッチということです。

このあとジョンだけが知っていた a man ある男 は、ジョンとケントのふたりが共通に知っている the man その男 になります。ジョンとケントの知ってる度合いはかなり違いますが。このあとジョンとケントの会話では、ずっと the man のままで会話が続きます。a man に戻ることはありません。ふたりとも知っているのですから。

これが a よりも the のほうがたくさん登場する理由です。a は最初の1回だけですから。

おや、ジョンがさらなる新情報を加えましたね。注目すべきは、また a が登場してることです。ジョンにとってはすでに知っている その男 の その妹 ですが、ケントはその存在を知りません。なので最初は その男 のことをケントには a man と言ったように a sister と言ったのです。こうして a sister をケントの心に生じさせてから the sister にするのです。

これが a と the がネイティブの心に生じる基本パターンです。この基本パターンを知るだけでもかなり英語が違ってきますよ。

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