みなさんこんにちは、英語英会話コーチのワーグナーミトミです。今回は大学生との英検準1級の授業で遭遇した、現行の英文法指導のマイナス面が如実に出現したケースをお届けします。法則があれば、指導するのが楽なのは当然です。テスト問題を作るのも楽です。ところが絶対の法則ではないのにその法則を強調しすぎると、マイナス面がドーンとでてきます。その典型的な例が時制の一致です。今回の事例は、時制の一到の意識が強すぎるために起きるケースです。それではそんなマイナス面を乗り越えて栄光に向かう、エピソード739スタートです。
(注)時制の一致に関しては問題がてんこ盛りなので、別のエピソードでも取り上げます。
今日もひたすら英語学習しまくるサトル君です。
何かを見たようです。
この文を見ましたか。
この文を?
通りすがりのあんちゃんの豹変ぶりがすごいですな。興奮することなのでしょうか?こやつにとっては?
興奮することのようなので、検証していきましょう。
これが基本のスタート文です。お、接続詞 that に王権停止(動詞停止)させられているのは、was です。is ではありません。時制が違います。
おわっとっとい、接続詞 that による王権停止(動詞停止)拒否です。ワンパターン嫌いですな。でもそのため王(動詞)がふたつです。こりゃダメです。
接続詞 that に代わり、不定詞 to で王権停止(動詞停止)です。不定詞 to による王権停止(動詞停止)なので、原形の be になりました。英語ネイティブは必ずこうします。
ここで謎のネイティブ男の乱入です。to be では過去テイストがないぞ、とのことです。
It seems that Masao is respected.
このように seems と is の時制が同じなら、to be でOKです。
Masao seems to be respected.
これでOKです。また
It seemed that Masao was respected.
こちらも seemed と was の時制が同じなので、to be で過去のテイストを英語ネイティブは感じます。不定詞 to で王権停止(動詞停止)されているものは
王(動詞)の時制と同じ
と英語ネイティブは感じるからです。王(動詞)が過去なら to 原形も過去です。
この文のやっかいな点は、王の seems と、that に王権停止(動詞停止)されている was の時制が違うことです。さて、どうする?
おお、was を原形の be にすることなく、to 王権停止(動詞停止)しました。こりゃ過去テイスト満々です。こりゃいい。
残念、to の後ろを過去のまんまで王権停止(動詞停止)するなんてことは、英語ネイティブの心に浮かぶことはないようです。英語は英語ネイティブの言語、英語ネイティブの心に浮かばないものは、どんなに便利でもダメです。それができちゃうのならワーグナーミトミは、もうすでにドンドン英語をより簡単な言語にしてしまっています。
to be も to was もダメです。そこで英語ネイティブは
have を宇宙の彼方から呼び寄せます
他に過去のテイストを出す手がない、といったところです。もちろん英語ネイティブには第一言語の英語、瞬時に無意識に心に浮かびます。でも日本語ネイティブにとっては「ええ?」という感じです。宇宙の彼方から飛来する have です。
宇宙の彼方から飛来した have ですが、すぐさま to に王権停止(動詞停止)されてしまいました。でもまだ was がいます。
完了動詞 have の後には過去分詞しか英語ネイティブの心に浮かばない
これです、これ。このワーグナーミトミの大発見を思い出しましょう。完了動詞 have の後には、過去分詞しか英語ネイティブの心に浮かびません。was はすぐさま been になってしまいます。been になってしまえば過去分詞、もう動詞ではありません。
このワーグナーミトミが発見した巨大なる法則を知っておくと、英語という言語がグーンと簡単になります。
この文は時制の一致なんてしていません。 to have respected は過去テイストです。現在と現在完了で時制の一致、なんてしていません。
現在完了形は過去と違う、ということを日本語ネイティブは苦労して覚えます。でもそのままだと10代後半に出くわす今回のケースに対応できずに、「なんで現在完了になるの?」のまま高校卒業、そのまま生涯終了していくケースが多いです。
現状打破をしていく稀有なる英文構造分析学者ワーグナーミトミ、ここにあり。英語学習者の今を、未来を輝くものにします。
それでは今回はこれにて。
英語の検索はワーグナーミトミで。